
借りたらとにかく出発です。目的地まで約2,000キロ。もちろん数日かけての移動ですが、すべて陸路での移動となると、なかなか根性が必要となる旅です。最終の目的地はシカゴに近いスプリングフィールドという町。西海岸から、ほとんど東海岸まで横断するような感じです。
カラテマンが運転する先導車に付いて車を走らせること約30分。なぜか海が見えます。そう、まぎれもなく西海岸の海です。「ひょっとして方向が違うのでは?」と思っていると、車列は一斉にストップ。カラテマンは悪びれる様子もなく、道を間違えたからUターンすると告げました。右車線と左ハンドルにまだ慣れていない私たちには、Uターンすることさえままならない状態。そんな中、対向車のクラクションに冷や汗を垂らしながら、4台の車はもと来た道へ逆戻りします。音楽を演奏する前に、アメリカの車と道に慣れる必要を迫られた旅の始まりです。
どこをどう走ったのかもわからないまま、まずはカラテマンの道場見学をし、そのあと「とにかく77号線をしばらくずっと走るから」という指示のもと、先導車を見失わないように必死で車を走らせました。「そういえば『サンセット77』というアメリカのテレビドラマがあったな…」などと頭に映像が浮かぶのですが(そのドラマの77は番地ですが)、思い出に浸っている余裕はまったくありません。
どこに泊まったのかも記憶がないほど、ひたすら緊張しながら深夜まで車を運転し続けたアメリカ演奏旅行の初日でした。