「毎日の生活に知恵と笑顔を」私たちは生活文化出版です。

トップページへ トップページへ トップページへ
トップページへ 刊行案内 イベント案内 会社概要 カスタム出版 書店担当者様へ zooplanning リンク

焼酎居酒屋店主・金本亨吉  リンクページへ
『焼酎テイスティングガイド』
焼酎は笑顔で楽しくのむお酒、場所や音楽、照明etcなどを楽しみながら、いろんな場面で美味しく飲めるのが本格焼酎です。このコーナーでは、老若男女問わず、本格焼酎の『おもしろさ』を、創作的にお伝えしたいと思います。

 

イラスト
アーカイブ
第4回
【知っていそうで、実は知らない 焼酎話 その1】

焼酎ブーム到来後、いろいろな場所で「本格焼酎」を目にすることが多くなりました。
もちろん酒屋さんで焼酎を購入し、ご自宅で飲まれる方々が増えたことは、長年焼酎を扱う私にとって、このうえない喜びといえます。
そこで今回のテーマは、焼酎をよく飲まれている方も、そうでない方も知られていそうであまり知られていない飲み方のお話をご紹介したいと思います。
【焼酎は振って飲むべし】
昨今の本格焼酎は、1998年頃のクサい・辛いといった焼酎のイメージを覆す、「さつま芋」本来の味わいや香りが特徴です。
多くの消費者の方達が「焼酎」を口にする機会が増えたことによって、本格焼酎の品質が向上したといっても過言ではないでしょう。

みなさんが焼酎を飲むにあたって、ひと手間、ある作業をしていただくことをお勧めします。
それは、まず瓶を【振る】ことです。その後に飲む。
なぜ振ってから飲むのかというと、芋焼酎や麦焼酎、米焼酎などの穀物を原材料をとしている本格焼酎は、蒸留酒特有の【フーゼル油】という、フラフール成分などの集合油分や、穀物の本来の旨味成分が、混入しているからです。

グラスに付着するフーゼル油

▲グラスに付着するフーゼル油

フーゼル油は、蔵での貯蔵の段階でその油分が表面に浮上し、固まります。
そしてその固まった油分は人の手によって掬い取られたり、フィルター処理(濾過)が行われたりします。
混入・浮遊するフーゼル油やゴミなどは焼酎の品質を損ねるモノです。
ですから、蔵ではこの処理を丁寧に施しているのです。

なお昨今、無濾過焼酎や三分濾過焼酎など、濾過を控え造られた焼酎が登場していますが、これらは従来の焼酎に比べ、【油や旨味】の混入率が高く、蒸留したて…つまり芋の風味を活かした、香ばしく濃厚な味わいが長所といえます。
ちなみに、濾過の少ない焼酎は、保管場所の温度や状態による味の変化、つまり劣化が、通常の焼酎に比べ進むのが早いといえます。
もちろん、濾過された焼酎であっても劣悪な環境下では、劣化の進行を促すことに違いはありません。

話を戻しますが、したがって焼酎を飲む際は、瓶を一度振ってそれからお好みのグラスに入れるほうが、瓶内成分が均一化され、もっとも美味しい状態で嗜むことができるのです。

では、振らずに飲んだ場合はどうなるのか?
まず人体への影響はまずありません。
しかし焼酎を振らずに飲む際、封開け最初の一口目に焼酎瓶に浮遊する油が全面に出てきますから、本来の味が損なわれます。
渋味や苦味…そして喉越しの引っ掛かりなど、味の壁となる雑味交じりの一杯になってしまうのです。

昨今の焼酎ブームにより、便乗店が多く立ち並び、基本的知識を持たないお店が多く存在することとなりました。これまたブームの特徴といえるでしょう。
たとえば洋酒などを固定するディスペンサーで、焼酎瓶を逆さに固定し、ショット一杯売りにするお店。
たしかに見た目はスタイリッシュですが、瓶が固定されていると振ることができません。

それに、設置された焼酎棚の瓶や焼酎そのものにスポット照明を当てているお店も気になります。
先ほどご説明したように、焼酎の劣化を促すことにつながるからです。

瓶を振らずに注ぐ店員、瓶を電球の熱で温め続ける店…。
味で飲むか視覚で飲むか、それは、各々の自由な嗜好ですが、「せっかく真心を込めて造った焼酎を美味しく飲んでもらいたい」。
その気持ちは、私も、そして芋焼酎を造る蔵元も、願いはただひとつだけなのかもしれません。

 


作者プロフィール
名前: 金本亨吉
職業: 「焼酎屋BETTAKO」店主

東京・池袋に位置する「焼酎屋BETTAKO」の二代目店主。
店内に演歌が流れる13坪の「焼酎屋BETTAKO」は、開店から25年、鹿児島の酒と肴を提供し続けてきた居酒屋。
グラフィックデザイナー時代、度重なる九州出張で本格焼酎と運命の出会いを果たし、焼酎造りの蔵子経験まで持つ。本格焼酎を吟味した数は約28,000銘柄超。
得技は、造りの異なる本格焼酎を、香や味を確かめただけで最高の状態にして提供できること。また造りの状態も判別できる技を持つ。
2006年5月、町おこし企画「みんなでつくろう芋プロX」 をプロデュース。
鹿児島県曽於市大隅町の農地を借りて、芋焼酎の原料となる、さつま芋「黄金千貫」や麹米「ヒノヒカリ」等の原材料を、一般消費者と共に生産、最終的にオリジナルの芋焼酎を製造し、産物として販売する。
2007年5月、参加者全員で作った芋焼酎が1stリリースの予定。

 

ページトップへ

イラスト